ギミーヘブン

先日買った「H」に安藤政信宮崎あおいの対談が載っていたのも手伝って
いつまでだろう?と調べたところ、27日まで?!という事で
急遽行ってきたわけですが、想像していたよりも面白かったです。


共感覚っていう、音が視覚として観えたり、色が触覚として感じられたり…
と五感が入り乱れている状態…そんな感覚を持った人の事を
扱った映画というのも観たい要因のひとつだったんだけど
それについての描かれ方はまぁこんなものかなぁ〜といった感じ。
共感覚者自体がXXが○○に見えるっていう表現もしっくり来ず。
○○の方はまた他のものに見えてるわけでしょ?
もっとも、普通の人がそう表現するのには違和感無しなんだけど。


自分は昔、結構いろいろ変(?)なことを考えてたので、たとえば
「自分の見ているこの青は、ほかの人の青と同じなんだろうか?」
なんてよく悩んでました。音や匂いよりも視覚情報についてそう思ってたかも。


歳をとったせいか結論として「自分の見ている青がほかの人の黄色でも
それを伝えるときは識別はできているのでやはり赤ではなく青を選ぶ。
…だから感覚は共有できていなくても、認識は共有できてるし困ることはない」
みたいな事でとりあえず納得しちゃってます。
でも、納得してる一方で「感覚は共有できない」と言うのも事実かなと
思っているのも事実。
だから、この映画での「普通の人とは感覚が共有され得ない→共感覚者は孤独」
みたいな図式はちょっと?だったりはしたんだけど、
これって自分が正規分布の最頻値付近の感覚者だからなのかな。
誰だって、一人として同じ感覚の人なんていないと思うからね。


ストーリーは後半ちょっとだらけるかと思ったら
それなりにまとまってたのとキャスティングの妙で魅せていただいた感じ。
鳥肌実演じるところのヤクザと、松田龍平の役どころも面白かった。
結末には救いを求めたかったけどね…。語り口からもうみんな死相が見えてて
そういうのがイヤだった。30分の連続TV番組じゃないんだから。
ヒロインの宮崎あおいは登場シーン少ないんだけど、演技…というか存在感がすごい。
あの役はほかの人だとキャストが思いつかない。かわいいって言うか
なんていうか、画としてスゴイ好き。この感覚は共有できないかな?(笑